卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

卸売市場の課題

卸売業者が新しい機能を付加するか、あるいは新しい機能を持つ企業が卸売機能を付加するか

卸売市場は集荷と評価、分荷、決済、情報が市場機能の中心である。そして、この「卸売」機能を担う業者が卸売業者であり、この「卸売」機能を効率化するために、I T化や温度管理・保管・加工・配送など市場機能を付加する整備を推進してきた。 ところが、本…

令和2年度食品流通合理化の取組み

食品流通合理化検討会:資料 菅新政権が発足し、コロナへの対応と経済振興の両立が課題となる中で、食品流通もまた卸売市場法の改正に続き、漁業法、水協法の改正によって生鮮食料品の流通は大きく変わろうとしている。 なかでも改正市場法に基づく卸売市場…

卸売市場再整備に「サウンディング型市場調査」導入

サウンディング型市場調査を行う川崎北部市場(168,587㎡)ホームページより (参照)川崎市:川崎市中央卸売市場北部市場の機能更新に関するサウンディング型市場調査の実施について 最近、卸売市場の再整備に「サウンディング型市場調査」の手法が使われ始…

食品流通合理化検討会における市場施設整備の考え方

今後の市場機能はSCM中心(東京大田市場加工・荷捌棟) 前回、パーソナル情報システム(P J S)の「第33回生鮮流通フォーラム」を紹介した。金澤室長が講演した「改正卸売市場法の施行と今後の食品流通の合理化の推進について」は、改正市場法後の市場施設の…

パーソナル情報システム(P J S)の「第33回生鮮流通フォーラム」

パーソナル情報システム(P J S)の「第33回生鮮流通フォーラム」が2020年8月27日(木)・28(金)・9月4日(金) の3日間、オンラインLIVEで開催される。 8月27日のセミナーを聞いた。4月に着任しコロナ禍で思うような動きが制限されている農水省の金澤卸売市場…

平成 30年度仲卸、買参経営状況

気分だけでも涼しさを(三上市太郎撮影) 農林水産省食料産業局食品流通課卸売市場室はこのほど仲卸、売買参加者の平成30年度経営状況を公表した。 それによると、仲卸業者数は全ての部門で減少しているが、水産が&%減った以外は、青果、食肉、花き三部門…

新刊『 “適者生存”戦略をどう実行するか−卸売市場の“これから”を考える』を読む

市場流通ビジョンを考える会から「“適者生存”戦略をどう実行するか 卸売市場の“これから”を考える」(筑波書房:1000円+税)が出版された。東京聖栄大学の藤島廣二・常勤客員教授をメインに水産経済新聞の八田大輔、農経新聞の宮澤信一、ナチュラルアートの…

開設会社職員が加工会社社長兼任(下)−震災復興に向け奮戦する相馬市場加工

前回に続き、開設会社職員(相馬総合卸売市場株式会社主事)と加工会社社長(相馬総合市場加工株式会社)を兼ねる木幡洋平氏の寄稿である。 事業拡大 売上は上向き始めたものの、利益率にどうもつながらない。ここで、仕入れを見直すことにした。 現在の仕入…

開設会社職員が加工会社社長兼任(上)−震災復興に向け奮戦する相馬市場加工

改正卸売市場法によって開設者の責務は大幅に増えた。しかし、ここまでの開設者の責任は想定されていなかっただろう。相馬総合卸売市場(福島県日下石字鬼越迫)の小幡洋平氏は次の二つの肩書を有している。 相馬総合卸売市場株式会社 主 事 木幡洋平相馬総…

魚菜市場の破綻−ひだ高山中央市場

高山市公設地方卸売市場(ホームページより) 2020年6月21日の改正市場法施行日を迎えて、市場再編の動きが激しくなっている。 高山市公設地方卸売市場(岐阜県高山市問屋町6)は、卸2社がいずれも青果と水産を扱う魚菜市場だが、このうちの1社「ひだ高…

パーソナル情報システム「WEBセミナー」開催−「制度変更とIT戦略の方向性」

コロナ対応で新たなセミナーが模索されている (2019年に行われた生鮮流通フォーラム) 2020年6月25日、パーソナル情報システム株式会社(PJS)主催のWEBセミナーが行われた。 PJSは毎年2回、生鮮流通業界向けの無料セミナーを開き、毎回多くの業界関係者…

規制緩和と市場主義経済−コロナウイルスと食料安保5

漁業の活性化は食料安保に貢献する(小田原漁港・定置網) 食料安全保障と食料自給率について検討してきたが、国が目指す食料安保政策と密接な関係にあるのが市場主義経済の推進と、これに伴う規制緩和の政策、種子法廃止や種苗法改正案、さらにJ A全農改革…

種苗法改正と食料自給率−コロナウイルスと食料安保4

市場でもカット野菜に国産野菜が活用されている(岡山クラカ) 自給率目標は「平時の金額、緊急事のカロリー」 カロリーベース、生産額ベース、それぞれについて問題はある。 1.カロリーベースの場合 輸入による飼料がなくなった場合、国内の飼料で代替でき…

オークネットが砧花き買収−ネットオークション企業が中央市場卸に

市場は変わらなければならないと誰もが言う。問題はどう変わればいいかである。 2020年6月21日、改正市場法が施行された。改正市場法は既に一年前に成立しており、いわばこの一年は助走期間とも言うべき一年であった。 改正市場法は取引の自由化や市場再編…

食料自給率の考え方−コロナウイルスと食料安保3

小泉大臣はなぜ非難されたのか いつだったか、小泉環境大臣が国際会議に参加した際、前日にステーキハウスに行ったことを環境保護団体から批判されたことがあった。ステーキを食べることと環境保護はどう関係あるのか、すぐには分からなかったのだが、おそら…

開設者が決定的な役割−改正卸売市場法下における市場開設者のあり方

市場活性化への開設者のあり方が模索されている(横浜南部市場) 2020年6月21日に施行される改正卸売市場法は開設者のあり方にどのような変化をもたらすのだろうか。改正卸売市場法の施行は、市場のあり方の変化だけでなく、開設者のあり方、役割をも劇的に…

種苗法改正案は見送り−コロナウイルスと食料安保2

「知床晩鐘」三上市太郎・撮影 種苗法改正案の見送り理由について 黒川東京検事長の賭けマージャン問題など騒然とする中で2020年5月20日、突然、自民党森山国対委員長が国会に上程されていた種苗法の今国会成立の見送りを発表した。 種苗法については、いろ…

国会上程された種苗法改定案−コロナウイルスと食料安保1

種苗法の何が問題なのか 新型コロナウイルスの対応に追われている今国会に、日本の食料安全保障に大きな影響を及ぼす種苗法の改訂案が上程されている。 この改訂案はイチゴ等の優良品種の海外流出を防ぐことが法目的とされているが、同時に品種の育成者権を…

【寄稿】緊急事態だからこそ取り組める−卸売市場でドライブスル-販売を活用しよう

2020年4月25日N H Kで放映された高崎市場のドライブスルー販売 先に紹介した卸売市場におけるドライブスルー販売は各地市場に広がりつつある。 4月25日に実施した高崎市場の「関越冷蔵」米桝 秀二専務がまとめた高崎市場の取り組みと呼びかけを紹介する。 …

卸売市場のドライブスルー販売広がる

高崎市場のドライブスルー販売(2020年4月26日付け上毛新聞) 卸売市場のドライブスルー販売方式が広がっている。 明石市場、川崎南部市場、高崎市場などで始まり全国的に広まりつつある。 いずれも公設地方市場で、外出自粛で売上が急減している卸売市場業…

開設者が決定的な役割−改正卸売市場法下における市場開設者のあり方

市場活性化への開設者のあり方が模索されている(横浜南部市場) 2020年6月21日に施行される改正卸売市場法は開設者のあり方にどのような変化をもたらすのだろうか。改正卸売市場法の施行は、市場のあり方の変化だけでなく、開設者のあり方、役割をも劇的に…

コロナ感染者発生時の対応

下のチラシは農水省ホームページに掲載されている新型コロナウイルス感染予防対策についての概要である。 プリントして掲示するなど活用されている。 また新型コロナウイルス感染症による企業への経営支援策も発表されている。 支援内容は、金融支援措置、雇…

市場業者への支援も緊急課題

2020年3月18日午前11時 築地場外市場 卸売市場認定申請は2020年6月21日まで後3ヶ月となったが、新型ウイルス騒然の中で卸売市場業者は、新型ウイルスへの対応に加えて急激な売り上げ低迷に追い込まれている。 様々な「自粛」で外食店やホテル、観光、交通…

開設と業務の分離−京都方式か東京方式か

地再整備を行なっている京都中央市場第一市場 開設自治体の条例で対極をなすのが京都と東京である。別表を見るだけで明らかだろう。 各々の業務規程は、改正市場法後の卸売市場のあり方、とりわけ行政が責任を持つ公設市場の開設者としてどうあるべきかとい…

「市場の常識を疑う」櫻田光雄 沼津中央青果社長講演

櫻田光雄 沼津中央青果社長(全国青果卸売市場協会 副会長) 「改正市場法時代をどう生き抜くか」をテーマに行われた、全国青果卸売市場協会と全国魚卸売市場連合会の合同研修会における櫻田光雄 沼津中央青果社長の講演を紹介する。 近年、市場業界育ちでは…

小池知事は忙しい

市場は中小企業の集合体である。しかも顧客は小売店や外食、つまり消費者に繋がる。何より票が欲しい政治家にとって一か所で数万の票が動く卸売市場は魅力があるのだろう。 そのせいかどうかは分からないが、選挙の年になる小池知事は、2020年に入って1月5…

物流改善がカギ−合理化検討会

仙台市場青果部の共同配送施設 青果と水産における食品流通の鍵を握るのが第一次産業です。そうした意味でも、昨日紹介した小田原漁況と小田原水産地方卸売市場のコラボは意義のある取り組みです。 青果はTPPや日米FTAの流れで試練に立たされていますが、水…

「賑わいゾーン」は市場機能か

2019年9月20日オープンのブランチ横浜南部市場 消費者開放はイベントなのか、あるいは市場機能の一つなのだろうか。 卸売市場の中に消費者の一般開放施設を設置する動きが広がっている。初めは関連店舗の不振を打開するためで、次に仲卸も参加し、卸も商品供…

水産資源から見た市場流通

豊洲市場で行われた東京水産振興会主催の講演会「水産資源の現状とこれからの豊洲市場流通について」を聞いた。 講師の和田時夫・漁業情報サービスセンター会長と、婁小波・東京海洋大教授は、お二人ともに水産資源の問題に詳しい研究者である。 豊洲市場の…

改正法の試金石となる東京市場

東京都の条例改正案が2019年11月28日に開かれた取引業務運営協議会で答申され、11月5日の市場審議会の了承を経て12月都議会に上程される。 すでに京都市が上程されていて、今後、中央市場を開設する自治体で来年6月までの卸売市場申請に向けて条例策定が進…