卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

各地市場の取組

成田新市場関連棟は仕切り直し

2022年1月開場予定の成田新市場の関連棟は成田市が直接整備することが決まった。令和3年5月28日、成田市公設地方卸売市場運営審議会が開かれ了承された。 成田新市場は、青果、水産の公設市場部分と高機能物流棟を除く施設は民間による整備、運営を行うこ…

2040年代の市場ビジョン−東京都市場経営指針

東京都はこのほど「東京都中央卸売市場経営指針」を策定した。 現在ある11中央市場の市場会計の改善を目指す長期的な経営指針である。2040年代の市場のあり方を経営面から検討するという、改正市場法で廃止された「10年単位・5年見直し」の市場整備計画…

レンゴー青果が県央青果全株取得‐R&C売上1400億円卸に

北関東の中核に位置する群馬高崎市場(高崎市場HPより) 2021年4月28日、ぐんま県央青果(阿久澤 吉廣社長・資本金1億5千万円))は長野県連合青果(堀陽介 社長・以下レンゴー青果)に全株を譲渡することで合意、契約したことを公表した。取得日は6月1…

富山公設地方市場再整備−定期借地権で公設市場も民間が建設

(参照)富山市 富山市公設地方卸売市場 2021年4月1日、富山市は富山市場用地123,138㎡全てを対象にした再整備事業の優先交渉権者に「新とやまいちば創生プロジェクトチーム」(以下;事業連合)を選定した。民間が公設市場の全てを整備し、その一部を市が…

桐生市場用地一部返還−12年間の無償貸付期間終了

桐生市場は業界の努力で配送施設等が整備されている 2009年に民営化した群馬県の「桐生地方卸売市場」(みどり市笠懸町阿左美)は、民営化後10年間無償貸借を行い、さらに2021年3月まで2年間延長してきたが、4月からは有償とすることを議会決定した。これに…

「成田市場だより」発行

成田市は2021年3月26日付けで、「成田市場だより」を発行した。 来年1月開業を予定している成田新市場について、年度末である3月末段階での開設準備の状況について詳しく情報開示している。その内容についてはすでに紹介した部分も多いが、開設自治体として…

千葉市場再整備は三菱総研が受託

東京商圏の市場機能を模索する千葉市場(千葉市地方卸売市場概要H30年度版より) 開設43年を経過し、再整備に直面している千葉市公設地方卸売市場(千葉市場)はこのほど、再整備に向けた経営戦略を含めた工事手法や基本計画などの策定を三菱総研に委託する…

滋賀県大津市場は公設公営維持−新市長が方針転換、大和ハウスとの民営化協議打ち切り

公設公営維持が決まった大津市公設地方卸売市場、大津市ホームページより 大津市公設地方卸売市場(大津市瀬田大江町)の公設公営が維持されることになった。 大津市議会は2020年6月8日、公設公営に向けた補正予算案と公設市場としての条例改正案を提出し…

和歌山市中央市場に「わかやま○(まる)しぇ」オープン−市場整備基本計画に基づく第一弾

完成した総合食品センター(和歌山市ホームページより) 開設45年を過ぎ市場再整備を進めている和歌山市中央卸売市場(和歌山市西浜1660番地の401)の総合食品センター棟「わかやま○︎(まる)しぇ」が2020年7月2日オープンした。 老朽化した施設の再整備に…

魚菜市場の破綻−ひだ高山中央市場

高山市公設地方卸売市場(ホームページより) 2020年6月21日の改正市場法施行日を迎えて、市場再編の動きが激しくなっている。 高山市公設地方卸売市場(岐阜県高山市問屋町6)は、卸2社がいずれも青果と水産を扱う魚菜市場だが、このうちの1社「ひだ高…

市場再編の動き活発化

2020年6月21日、改正卸売市場法が施行され、市場再編の波がさらに活発化している。 「市場再編」といっても従来型の統合ではなく、それぞれの市場に合わせたケースになっている。今後、随時に詳しく紹介するが、最近の動きを簡単に列挙しておく。 長い歴史…

東京市場卸の平成30年度経営状況−水産、青果、花きいずれも減収減益

平成30年度東京市場卸 販売数量・売上高及び収益状況 水産 前年比 青果 前年比 花き 前年比 取扱数量 37万8千トン 93.60% 1,936トン 97.90% 151万本 95.90% 取扱金額 4,700億円 96.90% 5,374億円 94. 80% 808億円 98.80% 売上総利益 219億円 98.60…

高崎市場、使用料50%減免

高崎市総合卸売市場は、新型コロナへの市場業者経営支援として、全業者を対象に2020年4月、5月の市場使用料を50%減免する。当面2ヶ月とするが、新型コロナの収束状況を見ながら2ヶ月後再検討する。 高崎市場は準公設(第3セクター)市場で代表取締役は…

卸売市場の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応

東京11中央市場が見学中止延期 2020年2月29日から3月31日まで中止されていた東京都中央卸売市場11中央市場の見学は、新型ウイルスの感染者増加を受けて4月12日まで延期する。 見学中止は特に一般消費者の利用を重視している各市場の関連業者・飲食店に深…

民営化2期連続増収増益−卸3社体制となった栃木県南市場

民営化二期目を終えた栃木県南卸売市場の開設会社「荒井商事」が二期連続の増収増益を実現した。 改正市場法下で市場経営の困難さは増すだろうと思われている中で、公設から民営化の受け皿となった開設会社が二期連続の増収増益となったことは特筆に値するだ…

まぐろ人気広がる−市場の直売所

刺身まぐろ供給逼迫が懸念されている中、市場祭りや小売店頭でのイベントの花形は「まぐろ解体ショー」です。 大阪堺と埼玉川越、神奈川小田原の三つの市場の「直売所」を紹介します。 大阪堺中央綜合卸売市場 街のみなと まぐろパーク 写真1「まぐろパーク…

漁況と地方市場のコラボ−JF小田原水産の取り組み

3階建の「漁港の駅・TOTOCO小田原」 改正市場法後の取り組みとして注目されるのが、産地市場と消費地市場の連携です。小田原漁港の再開発で11月にオープンした「漁港の駅・TOTOCO小田原」が基本的に完成したので、先だって小田原漁港に行ってきました。 多…

横浜本場は公設公営維持

2019年11月17日(日)に開かれた横浜本場の市場まつり 横浜市中央卸売市場開設運営協議会(若杉明会長)は、横浜市から諮問されていた改正市場法に伴う横浜市中央卸売市場(横浜本場)の運営方式について引き続き公設公営を維持していくことが望ましいと、次の…

松山水産市場の「魚嫌い川柳」

俳句や川柳の人気が復活しているようだ。そのきっかけの一つが伊藤園のお茶のペットボトルである。実にきめ細かく子供から大人までの俳句を印刷してある。時々買うたびに違う句が載っていて相当長くやっているので膨大な量になるだろう。私もこれがあるから…

奈良中央市場再整備基本計画−市場機能強化と賑わい共存(下)

(上)からの続きです 現状と課題 社会環境の変化 農業担い手の高齢化 奈良県の農業従事者の平均年齢は68.8歳で60歳代と70歳代が主体。40歳代までの農業従事者はわずか7% 市場取扱高の減少 青果は平成10年361億円から平成30年には315億円に減少/水…

奈良県経済活性化の拠点に−市場機能強化と賑わい共存(上)

県営の中央市場は全国に沖縄、三重、奈良の三市場ある。 いずれも市場整備に直面しているが、その先頭を切って、奈良中央市場が9月県議会経済労働委員会に奈良中央市場再整備基本計画を報告した。 それによると、15万平米ある現在の市場用地を大きく二分し…

経営と営業の分離−栃木県南市場の青果卸に荒井商事−

公設市場から民営市場に転換した栃木県南地方卸売市場の開設会社「荒井商事株式会社」(荒井亮三社長)は、花き部門に続き青果卸売事業も経営権の譲渡を受け、2019年8月1日から「荒井県南青果(株)」として営業を開始した。 これで荒井商事は、公設市場の…

福岡大同青果ベジフルロジセンター−市場外で量販店のバックヤード機能−

福岡大同青果(丸小野光正社長)は、市場内のバナナ加工センターに続き市場に接した土地約1万㎡を取得し配送センター「ベジフルロジセンター」を建設稼働させている。市場外に土地を取得し独自に集荷・加工機能を持ち365日、24時間稼働を目指す福岡大同…

足利市場民営化スタート

公設から民営化した足利市場の新施設が完成、2019年9月4日に竣工記念式典が行われ、9月24日に新施設での全面開業がスタートした。足利市場は、市場用地を所有する「丸足足利海陸物産市場」(石内昭男社長)が開設会社となり、約12億円をかけて解体、新設…

豊洲市場で開場1周年

2019年10月11日、まるで豊洲市場の苦境を象徴するかのような開場一周年記念式典が、豊洲市場管理棟で行われた。 折しも未曾有の台風接近のニュースが流れるなか、会場には限られた関係者のみ約100人が参加。農水省の武田卸売市場室長が約30分の講演を行っ…

真夏のバーベキュー

バーベキューブームらしい。まだ行ってはいないが川越市場の直売所「生鮮漁港川越」も先月、隣接してバーベキュー施設を拡張した。 京都でも見た。京都市場の外というか中というか、京都市場は公道と私道が入り組んでいてよく分からないが、その一角にある倉…

市場と8階建ホテル

2019年9月上旬、京都に行った。前回、1年前くらいだろうか。京都駅は日本人、外国人入り乱れてコンコースが通勤ラッシュ並みだったが、今回はそれでも多いが前回よりは空いている。 31番線、山陰本線に乗った。この線も昔はガラガラだったが、学生さんでい…

尼崎市場の水産卸に「一光園」

大阪堺市の一光園本社(会社サイトより) 「一光園」いかにもお茶屋さんを想起させる社名だが、尼崎公設地方卸売市場の水産部卸と入場することが決定した。今秋にも営業を開始することで準備を進めている。 一光園は、もともと寿司屋向けのお茶を販売していて…

成田新市場の不安、4回目の入札でようやく建設業者決定−1年半の遅れに懸念の声

新市場イメージ図、上部が空港だが直接は行けない(成田市資料) 輸出入中心の市場を目指す成田新市場が、ようやく開場の目処がついた。 当初はオリンピックまでに間に合わせるという計画であったが、本体棟の入札が3回続けて不調となり、6月の4回目の入…

年商1500億円を視野に−R&Cホールディングス首都圏での存在感強まる(下)

(上)の続きです 2.R&C物流 長野県下の物流一本化 セントライ青果の統合の際、まず丸市青果と名果の物流部門の一本化が図られたように、R&Cのサプライチェーンを支える柱が2017年(平成29年)4月に設立されたR&C物流(本社:長野市)である。 レ…